現在ほしのこ池上教室には、小学校5年生以上が在籍しており、好きなゲームや漫画、学校行事や出かけた話などでいつも盛り上がっています。
最近では移動教室(大田区の学校行事)に行った際に、池上教室のみんなにお土産を買ってきたり、誕生日の友達にプレゼントを渡したりする児童が出てきました。
自発的に友達と関わろうとする児童が増えてきている池上教室です😊
しかしながら児童の会話を聞いていると、一方的に話したり、何て返事をすればいいのかわからず言葉に詰まっていたり、ふざけて相手を傷つける言葉を言ってしまったりする様子も見受けられるのが現状です。
そこで、コミュニケーションスキルを磨くためのSST「会話のキャッチボール」を行いました。
※SST=ソーシャル・スキル・トレーニング(社会生活技能訓練)
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「会話のキャッチボール」
まずは、児童Aと指導員による会話のロールプレイを見せます。
児「ドラえもんって身長何㎝あるか知ってる?」
指「知ってるよ!確か129.3㎝だよね。あと体重も129.3㎏で、ほかの部分も129.3になってるんだよね!あとドラえもんは四次元ポケットっていう便利な道具を持ってて、そこからどこでもドアとかタケコプターとか秘密道具を出すんだよね!それでさ…!」
児「・・・うわーーもう無理っ!しゃべりすぎ!!俺にもしゃべらせて!!😡(怒)」
会話を一方的に聞かされていた児童が痺れ切らしてナイスリアクションをしてくれたおかげで、見ていた児童達も、どちらかが一方的に話をすると会話が成立しないということに気が付きました。
このNG例を踏まえて、役割決め(質問者or回答者)をし、児童同士で役割や相手を変えながらロールプレイをしました。
質「○○のゲームやったことある?」
回「うん、あるよ。」
質「私は○○のキャラクターが好きなんだけど、どのキャラクターが好き?」
回「ぼくは○○と△△かな。」
質「なんで電車が好きなの?」
回「え~っと…○○だから。」
質「う~んじゃあよく乗る電車は何?」
回「え~っと○○と□□と…。」
どのペアも会話のキャッチボールを意識して取り組めており、一方的に話す児童は見受けられませんでした。
また、質問者は制限時間ギリギリまで会話を続けようと次の質問を捻り出していたり、回答者は一つ一つの質問をよく聞いて答えたりしている様子も見受けられました。
さらに「ポケモンが好き」など、趣味が合う相手とはマニアックな話で盛り上がっているペアもありました。
友達と膝を突き合わせてじっくりと話す機会が少ない児童にとっては、他児との会話を楽しむ良い機会となりました💮
一方で、「何を話せばいいかわからない😖💦」と話題選びに苦戦する場面や話し声が小さくて何度も聞き返している場面なども見受けられました。
会話をする相手に応じた話題選びや話し方の練習を積み重ねていく必要があります。
振り返りでは、自分の会話のキャッチボールレベルを“2軍→1軍→メジャーリーガー⚾✨”から選んで自己評価をする時間を取りました。
7割の児童が1軍、3割の児童がメジャーリーガーを選び、2軍を選んだ児童はいませんでした。
どの児童も少なからず「できた!」と思えたようです😊
“いつでも・どこでも・誰とでも”
自信をもってコミュニケーションが取れるように支援をしていきます。
池上教室の普段の療育では、ICT活動や学習など机上での個別活動が中心ですが、集団活動も定期的に取り入れており、他者との適切な関わり方や関係の築き方、集団においての指示理解等を学べるようにしています。
今回は、先日行った“お化け屋敷”の様子をご紹介します👻
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お化け屋敷は、“制限時間内にグループで部屋に隠された3つのお宝を見つけることができればクリア”というルールで行いました。
まず、くじ引きで三人一組のグループ分けをし、次に驚かす役・お宝を隠す役・お宝を探す役を各グループに振り分けて、その役割を交代しながら行いました。
お化け屋敷が始まり、教室の電気を消すと部屋は真っ暗に…😨💦
懐中電灯の明かりを頼りに進んでいきます。
お化け屋敷の雰囲気に合った怖いBGMや驚かしてくる友達にドキドキしながら、
「お宝あったよ!」
「まだ探してない所はどこー!?」
などとグループの友達に発信し、お互いに協力してクリアを目指す様子が見受けられました👍
お宝を探す以外のグループはというと、お宝の隠し場所を同じグループの仲間に共有して「俺らのグループはこっちに隠そうぜ!」と相談したり、「ここで『わあ!』って驚かすのはどう?」と提案したり、待機中に自主的に作戦を立てる様子が窺えました。
子どもたち同士のやりとりが自然と増えていてとても良かったです👍✨
一方で、“集団活動”という点では、気持ちが高揚してしまい、集団のルールよりも自分のやりたいことを優先させてしまう児童も見受けられました😞
「待機グループだけど驚かせたい…!」
→自分の役割じゃないのに衝動を抑えられずに驚かしてしまった。
「絶対に見つけられないところにお宝を隠したい…!」
→普段は開けない扉の中等、難しすぎる所に隠したため誰も見つけられず…。
集団活動において、限度をわきまえて楽しむことや集団のルールを守って気持ちのコントロールをしながら取り組むことは課題となっています。
他者と関わることで「楽しい!」「面白い!」と思えることは大切です。
今後も他者と関わる機会をつくり、他者理解や思いやりの気持ちがもてるよう支援していきます😊
【お化け屋敷の小道具】
街では紅葉する木々が見られるようになり、秋が深まってきましたね🍁
緊急事態宣言が解除され、少しずつ外出の機会も増えてきているところでしょうか。
子どもたちからは、やむ終えず延期や中止となった学校行事の復活を喜ぶ声が聞こえます😊
運動会・合唱祭・宿泊学習・校外学習など、さまざまな行事での経験を積んでいってほしいと思います。
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さて、今回は“自己管理能力”についてのお話です。
まず、“自己管理”という言葉からどんなことが思い浮かぶでしょうか。
「自分の好きなようにさせてほしい!」などと思うこともあるかもしれませんが、
社会の中で自立して生活していく為には、健康管理・お金の管理・時間の管理・感情の管理・モチベーションの管理…といった“自己管理能力”を身に付けていく必要があります。
現在、池上教室では、時間の管理能力が向上するような取り組みを実践しています🕑
【取り組み①】
児童の来所時刻が異なるため、自分の勉強開始時刻と終了時刻を表に記入して管理しています。
基本的に小学生は30分間、中学生は45分間を勉強時間としていますが、取り組んでみると30分後を計算で正しく求められなかったり、時刻をまたいだ時にそのことに気付かないまま記入していたり、24時間表記の理解が不十分だったりと時計の読み方にも課題が見受けられました。
それでも継続して取り組むことで、30分後の計算がスムーズにできるようになってきました。
やはり継続は力なりです👍✨
【取り組み②】
24時間表記を見慣れることで、生活の中で使えるようにしました(視覚的支援)。
予定表に「4:30」と書いていた児童が、「16:30」と書くようになりました👍✨
【取り組み③】
取り組み①が定着してきたので、勉強以外の時間も自分で活動予定を立てて取り組むようにし、さらなるスキルアップを目指しています。
中学生以上になると定期テストの勉強計画を立てたり、締め切りに間に合うように課題に計画的に取り組んだり、次の予定を考えて取り組んだり…時間の管理が必要な場面は生活の中でとても多いですよね。
まずは、短い時間の中で、自分で活動内容や時間配分を考える経験を積み重ねます。
そうすることで、見通しをもって取り組むことや時間を意識して行動することが身に付いていきます。
“自分で計画を立てて、それを達成していく”。
その積み重ねが自己管理能力の向上につながっていくように継続的な支援をしていきます😊